Interview24
上質な和の佇まいの中に高齢者に優しい
安心快適な居住空間を実現した住まい
千葉県茂原市S様ご一家
01
両親との同居のため昭和初期建築の古民家を建て替え
ご自宅を建築するきっかけは何でしたか?
ご主人様
両親が高齢になり、戦前に建てられた住まいでは何かと不便な生活を強いられていました。古民家の造りでしたから段差が多く、水周りの設備も何度か改修してはありましたが使い勝手の悪いものでした。私たち夫婦は都内在住でしたが、多少時間がかかっても通勤ができれば実家を建て替えて、両親と同居することを考え始めたのが4年程前でした。 そんなことを考えていた頃、クルマで帰省する途中、交通渋滞をやり過ごすために幕張の総合住宅展示場に立ち寄ったことが、菊池建設を知るきっかけでした。2・3棟見学した和風のモデルハウスのひとつが菊池建設の建物でした。近年、和風のモデルハウスは少なくなっていましたから、菊池建設の建物は一際目につく上質な和の外観が印象に残りました。その時は建築をすぐに考えてはいなかったので具体的なプランの話はしませんでしたが、いずれ相談する時には必ず声をかけようと思いました。
奥様
それから1年間くらいは気長にいろいろ見て回りました。主人が和風の建物を希望していましたので、行く先々の展示場で目についた和風のモデルハウスに絞って見学しました。印象の良かった住宅メーカーや工務店については、帰宅してから必ずインターネットで調べてみましたが、なかでも菊池建設は評判も良く、私たちにとって好ましい情報が得られた会社でした。社寺建築まで手掛ける木造専門の会社で大工さんの腕がいいこと。無垢材が使えること。大手住宅メーカーよりも柔軟な対応によって、希望の注文住宅を建てた方が多いような印象も受けました。 モデルハウスの他にも住宅設備や内装建材のショールームを見学したり、インターネットで住宅関連の情報を調べたりして、自分たちが建てたいと思っている住宅の内容をまとめていきました。また、両親の要望も聞いて、自分たちなりに間取りを作ってみることにしました。
ご主人様
私は仕事柄、土木工事関連の技術、例えば鉄筋コンクリートの仕様や性能評価などには明るいのですが、住宅の間取りについては家事のしやすさなど主婦の視点でいろいろ考えがあるだろうからと思い、基本的に家内に任せました。両親が長年住み慣れた土地で建て替えることもあり、外観は落ち着いた和風の建物にしたいと思っていましたが、内部は安全快適な生活重視で考え、これまでの不便な住み心地を解消するために、あえて和風にはこだわらなくてもいいと話し合いました。
奥様
一般の人にも扱える住宅の間取り作成ソフトを入手して、パソコンでプランをまとめていきました。出来上がったプランは建物の中央に玄関のある、東西に広がった間取りですが、南北方向の風通しの良さはもちろんのこと、東西にも風が抜けていくよう開口部の設定に気を配りました。人が集まることもあるため、玄関からすぐ使える和室を西側に配置してパブリックなスペースにしました。東側にリビング、ダイニングキッチンなどをまとめ、家族のためのプライベートゾーンにあててあります。プライベートゾーンは洋風にまとめましたが、リビングにつながる畳の間を設けて、両親が過ごしやすい場所を作りました。この畳の間の北側に、玄関ホールからの廊下を設けて洗面所への通路にするとともに、ダイニングキッチンに抜けられるようにしました。リビングも含めて動線が繋がった回廊型の間取りにまとめました。
02
相性の良い相談相手との出会い
依頼先を決定されるまでのお話を聞かせていただけますか?
ご主人様
二人で相談しながらまとめたプランを持って住宅展示場へ見積を依頼しに出掛けました。ひとつめのハウスメーカーでは持参したプランを見て、すんなりと見積の依頼を受けてくれました。案外簡単に受け付けてくれたな、と思いながら、その足で菊池建設にも依頼に行きました。 持参したプランを見た菊池建設の営業担当者のコメントは「これをもとに間取りの練り直しをしましょう。」というものでした。「よく考えられたプランですが、構造的に耐震性を考慮して手を加えたい箇所があります。このプランに至った意図や暮らし方のお考えなども伺いまして、ご要望を損なうことなく、より良い間取りにしましょう。お見積はその後にお出しします。」と言われました。確かに建物の安全性や法規的なチェックもしないで、素人が作った間取りのまま建築してしまうことは無いでしょうし、プロの目から見ればいろいろ手直しすべきものもあるのは当然だと思いました。押しつけがましくなく、納得しやすい語り口調に相性の良い相談相手にめぐり会えた気がしました。 その日はそれから3時間余り掛けて家づくりの話をしました。気がついてみたらそれだけの時間が経過していたのですが、あっという間の打合せ時間でした。菊池建設の前に見積を依頼したハウスメーカーで、同じような展開にならなかったことが不思議に思えてきました。私たちの話を詳しく聞くことなく、素人のプランで見積を出すことに、大丈夫だろうかと不安さえ感じるようになりました。 結局その日は菊池建設とハウスメーカーとの2社だけで終わってしまいましたが、内容の濃い打合せが菊池建設で出来たこともあり、満足して帰ることにしました。むしろ、しばらくは菊池建設と打合せを進めるだけで十分に思えたのです。
奥様
数日後、出来あがってきた菊池建設の提案プランは、基本的な間取りの考え方は変わらず、無駄を省いて床面積が少し小さくなったものでした。例えば畳の間北側の廊下は短くなり、洗面脱衣室がダイニングキッチンへの通路を兼ねたものに改良されていました。炊事・洗濯をする場所がより近くなり、家事のしやすい配置です。入浴する時以外はダイニングルームの一部の様に建具を開放しておくので風通しも良くなり、室温の差も無くなるので冬場のヒートショックを心配することもありません。合理的で使い勝手がよくなり、建物もコンパクトになるので建築費用も削減できる。耐震性能もしっかり確保された提案プランに納得させられました。 注文住宅とは言え、施主の要望をそのまま請け負うのではなく、プロとして適切な提案を吟味して出してくれたことに、すっかり感心させられました。結果的にはこの提案プランで契約し、建築のための実施設計打合せでも間取りの変更はしなかったのですから、完成度の高い納得のプランでした。
ご主人様
間取りが決まった後、概算金額を確認しながら仕上げ材料や設備機器を検討し、建築内容を決めていきました。そして最後に出して貰った見積金額。当初の予算をオーバーしてしまいましたが後で後悔するより、納得のいく住まいにしようと話し合っていましたので、結果的に菊池建設と契約することにしました。決め手はプロとしてプライドを持った仕事振りでしょうか。さまざまな要望、相談事に的確に応じてくれながら譲れない部分にははっきりと納得のいく説明をしてくれる姿勢に、信頼できる人達だと感じました。
施工中に、ご記憶に残ったエピソードを教えてください。
ご主人様
秋に契約を取り交わしてから半年近くの実施設計打合せを経て、翌年の春に工事が始まりました。工事の間、両親には別棟の離れに仮住まいして貰いました。檜を使った木構造に定評があると聞いていましたが、基礎工事も地耐力調査に基づく十分な量の鉄筋を使ったしっかりとした施工で、全く申し分ありませんでした。定評のある木構造の足元もしっかりと造っていることを、もう少しアピールしても良いように思いました。
和室の造りには父親も関心が高く、こだわりもあったので、床柱は設計士や現場監督の方々と一緒に材木店に行って納得のいくものを選び、二重廻り縁の竿縁天井や長押の付いた、本格的な造りにしました。 大工棟梁は腕の良いベテランの方で、仮住まいの両親と挨拶を交わしてから仕事に取り掛かる、礼儀正しい職人さんでした。父親の強い希望で、実家にあった杉板を玄関の天井に使いましたが、棟梁は木目が映えるよう美しく仕上げてくれました。数寄屋建築をいくつも手掛けてきたという棟梁の丁寧な仕事振りに父親もとても喜び、満足していました。
奥様
大工さんに限らず、職人さんは皆さん腕のいい人ばかりでしたね。今回、特注デザインのモザイクタイルをトイレの壁や玄関のニッチなどに使うことにしたので、きれいに仕上げて貰えることを祈っていましたが、期待通りの出来上がりを見て嬉しくなりました。なかでもトイレの手洗いカウンターを取り囲む壁のモザイクタイルは、三角形のタイルを麻の葉柄に並べた手の込んだもので、タイルメーカーと入念なデザイン画の打ち合わせをして決めたものでしたから、イメージ以上の仕上がりに惚れ惚れとしてしまいます。繊細なモザイクタイルの貼り合わせに苦労されたでしょう職人さんに感謝しています。
03
高齢者に優しい、安心快適な2世代同居住宅
実際に生活をなさってのご感想はいかがですか?
ご主人様
出来上がった住まいは、落ち着いた和の外観が周囲の景色に馴染みながらも、古臭くない端正な佇まいに満足しています。玄関から広縁にかけて雨や日差しを遮る土庇屋根は、磨き丸太の柱と梁を隙間なく組み合わせたものに垂木現わしの軒天井が架けられた見事な木組みで、玄関や和室の木造作同様、目にするたびに、大工棟梁の技量の高さを感じることができます。和風住宅を得意とする菊池建設ならではの出来栄えに、父親も喜んでいます。
奥様
便利で使い勝手の良い設備機器はもちろん、アルミサッシや室内建具も機能的な最新のものを選び、取り入れて貰いましたからとても快適な住み心地です。リビングとダイニングキッチンの床は幕張展示場で一目惚れした国産サクラの無垢フロアに床暖房を組み合わせたものです。家の中にいて不快な暑さ寒さを感じることも無くなりました。危険な床段差もありません。両親の寝室を寝起きの楽なベッドが使える洋室にしたこともあり、普段はリビングにつながる畳の部屋で両親が過ごすことが増えました。畳の部屋はダイニングキッチンからはL字型の配置になるため、お互いの気配を感じながらも程よい距離感を保つことができます。床から天井まで納まる連動片引戸とプリーツスクリーンを使い分けることで、部屋の利便性も高まります。安心して暮らせる新居で、両親との同居も順調に始めることができました。
ご主人様
新居へ引っ越す際に、古い家具や荷物はほとんど処分してしまいました。食卓もサクラの床板に併せて、ダークチェリーのダイニングセットに買い替えるなど、新居のインテリアを新しくしました。住み替えで気分も一新し、両親にも喜んでもらえましたし、今回の建て替えは本当に良かったと思います。家内も言うとおり、両親と共有する1階部分の仕上がりは使い勝手も良く、申し分のない完成度だと思います。ささやかな今後の計画といえば、2階に手つかずの居室が1つあり、まだ使える冷蔵庫と食器棚を残してありますので、コーヒーの飲めるプライベートルームにしてもいいかな、と思っているところです。
スタッフ
奥様の基本プランをもとに、ご両親と共に安心快適な暮らしを実現する新居を完成させる役割を果たすことができ、光栄に思います。施主様のこだわりがある、難易度の高い建築工事ほど設計・施工技術に磨きが加わるものです。貴重な建築に携わる機会を頂き感謝致します。これからも末永くお元気でお暮らし下さい。本日はありがとうございました。