シックハウス症候群への対策3:換気
室内換気は、有害物質を排除する最も効果的な対策方法です。
室内の空気の入れ替わりには、窓の開け閉めや換気扇の運転により空気の入れ替え量をコントロールできる”換気“と、建物の構造上の隙間から自然に出入りしてしまう”漏気“の2つに分類することができます。
「夏を旨とすべし」の考え方による、かつての日本の家屋は大きな開口部を設けることによって、通風を促していましたが、隙間風(=漏気)も多く、炬燵や火鉢で局部的に採暖をするのが精一杯で、室内全体を暖房するのには適していません。
エアコンによる冷暖房が不可欠となった現代の住宅では、省エネルギーの観点からも、空気の入れ替わりの経路が不明で、出入りする量もコントロールできない“漏気”は少なくするべきです。
室内換気を“漏気”に期待するようでは壁内結露(=壁の中に侵入した湿気が気温差によって結露して水になり、断熱材などを濡らす現象)の問題もあり、好ましくありません。
冷暖房効率を良くし、省エネルギー性を追求した高断熱・高気密住宅では、計画的な室内換気が不可欠です。
当社の新省エネルギー基準対応住宅では、建物全体の換気を安定的に行う、第3種換気システムを標準仕様としています。
こうした換気システムは、ある程度の気密性がなければ効率的な換気が期待できない(=漏気がないことを前提にした建物内の換気経路を計画する)ため、真壁構造の住宅にはあまり適していませんが、換気を必要としたときに効率良く風が抜けていくよう通風経路を考慮した間取り設計を基本に、キッチンや浴室の換気扇、勝手口ドアやトイレの換気窓・ガラリなどをうまく活用できる住宅を考えたいものです。
掲載日 2007.11.20