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建材に含まれる有害化学物質2:
揮発性有機化合物(VOC)=Volatile Organic Compound

揮発性有機化合物は多く見積もると数百種類になると言われ、そのうちのいくつかは発ガン性物質です。共通する性質としては以下の項目などが挙げられます。

  1. 常温では液体であり揮発しやすい・・・
    蒸気になって空気と一緒に肺に入り、 血液中に移動する
  2. 脂肪溶解性がある・・・
    皮膚や目からも吸収される
  3. 引火性が強いものもある

中毒症状としては、軽度の場合は精神興奮、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気が挙げられ、中度の場合で吐き気、食欲減退、息切れ、動悸、手足のしびれなどが現れます。最悪の場合には小脳麻痺により死亡することもあります。

建材に含まれる主な有害有機化合物
材料有害有機化合物
ペンキの溶剤トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ノナン、デカン
水性ニスの溶剤アセトン、ISO-プロピルアルコール、n-ブタノール
ラッカーの溶剤トルエン、キシレン、酢酸ブチル、n-ブタノール
ビニルクロスの可塑剤フタル酸エステル系(DBP、DOP)、リン酸トリクレシル(TCP)
壁紙類の難燃加工剤リン酸トリエステル系(TBP、TCEP)
壁紙類の接着剤溶剤酢酸ブチル、n-ブタノール、トルエン、キシレン
木工用接着剤溶剤酢酸メチル、酢酸ビニル、酢酸エチル
床ワックストリメチルベンゼン、ブチルベンゼン、デカン、エチルトルエン、キシレンなど
畳の防虫加工ナフタリン、フェニチオン、フェニトロチオン(スミチオン)、ダイアジノン
木材・土壌の防蟻剤クロルピリホス、S-421、ホキシムほか多数
主な有害有機化合物の特徴
有害有機化合物特徴
トルエン(C7H8)芳香族系炭化水素の無色・可燃性の液体。突然変異原性あり
キシレン(C8H10)芳香族系炭化水素の無色透明な液体
DBP(ジブチルフタレート)無水フタル酸とアルコール類のエステル化で組成。動物実験により催奇形性、発ガン性。中枢神経の低下、胃腸障害
TCP(リン酸トリクレシル)無色無臭の液体。消化器管、肺、皮膚から吸収され、中枢神経障害をひきおこす
酢酸ビニル芳香族系炭化水素の無色な液体。発ガン性の疑いあり
デカン(C10H22)液体。動物実験により発ガン性が確認

掲載日 2007.11.20