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連載記事
檜の家こそが家族を守る住宅

すべての原点は人間らしい暮らしのために

伝統的な日本建築の美しさと強さを併せ持つ住宅。そんな理想的な住宅をつくり続けていくためには、実際にその家を建てる技術者の腕が問われることになる。その点でも菊池建設には、他社には真似のできない独自のアプローチがあった。

「寺社建築をルーツとする菊池建設は、日本の伝統である木造軸組工法で多くの寺社や住宅を建ててきました。しかし、戦後伝統的な木造住宅が減少し、その技術を伝える場も失われていきました。技術者の高齢化も進んで、伝統的な木造軸組工法の前途が危ぶまれる状況となってしまったのです。

当社ではこのような状況を憂い、昭和63年に木造軸組工法を教える学校、『日本建築専門学校』を設立しました。大学の建築科でも学ぶことができない伝統技法を、実績を重ねたプロが教授となり、実際の家づくりを通して伝えていこうという学校です。大学の建築科を卒業するとなれる『工学系建築家』ではなく、木のこと、森のこと、自然のことを正しく理解できる、いわば『林業系建築家』の育成を目指しています。

今年で開校17周年。卒業生には、社会に出て優秀な棟梁となった生徒もたくさんいます。この学校は自社の職人養成だけが目的ではなく、木造建築のよさを一人でも多くの方に知ってもらいたいという当社の理念を実践する学校でもあるのです」

写真:家の概観

「伝統を守ることも大切ですが、いま家に求められていることに対して応えていくことが住宅会社の一番の使命だと思います。とくに子供が産まれたばかりの30代のご夫婦が、さあ、これから家を建てようとなさるとき、なによりも気にかかるのは、家族の健康や環境の問題だと思います。

しかし、木造住宅のよさや檜のよさはわかっていても、価格の点であきらめてしまう人が多いというのも現実です。何よりも大切な家族の健康をしっかりと視野に入れた木造住宅を、1000万円台という普通の方でも手が届く価格で提供したい。このようなコンセプトで誕生したのが『檜の家・せんまん』なのです。

大切な家族の健康を守るために、木材を有効に利用した耐久性の高い住宅を、少しでも低価格で、一人でも多くの人に提供したい。人間の本当の暮らしや自然との付き合い方の原点を考えるならこの道しかない。菊池建設の原点はここにあります」

(このインタビューは平成15年6月に行われました)

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木の達人

中尾由一
(元菊池建設社長)

昭和7年(1932)徳島県生まれ。山陽パルプ(現日本製紙)の静岡営業所長時代に、菊池建設の創業者である宮大工出身の菊池安治と出会う。平成6年(1994)、菊池建設の要請を受けて顧問に就任。平成10年(1998)、菊池建設代表取締役就任。耐久性に優れ、家族の健康を守る国産檜を使い、なおかつローコストを実現した「檜の家・せんまん」を代表とする本格木造軸組注文住宅で高い評価を受けた。平成17年(2005)日本独自の森林認証制度『緑の循環』認証会議より、建築会社として国内初のCoC認定を取得。国産認証林材を使った住宅建築に着手。平成18年(2006)5月、社長職を勇退。

取材日:平成15年6月4日
聞き手:民井雅弘
企画・制作:株式会社インターナショナル・メディアグループ

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