
現在、木づくりの家、檜の家を謳っている住宅会社は数多い。しかし、「木のことを本当に知っている会社が、どれほどあるのかは疑問」と中尾社長(当時)は語る。以前、パルプ会社で20年間、「木の目利き」として全国の山林を歩き回った中尾社長(当時)ならではの言葉だ。
「そもそも木というものは、同じように見えても育った場所によって、まったく違った特徴を持っています。木にはそれぞれ環境に合った場所で生育する植生というものがあって、その木を長持ちさせたいのなら、その植生に応じて使うのが一番いい。例えば寒冷地の北欧で育った木を日本で使うと、高温多湿の日本では、どうしても劣化が早まり、シロアリにも弱くなってしまいます。やはり、日本の住宅に使う木は、日本で育った木を使うのが最もいい。理想をいえば、地元の木を使うべきで、北は福島から南は熊本ぐらいまでが植生の檜は、その範囲内で住宅に使うことが、木のためにも家のためにもいいんですね。
なぜ、日本の住宅に外材を使った集成材がふさわしくないのかという理由もそこにあります。集成材はその性格をきちんと理解して使えば、決して悪いものではありません。均質に加工された木材を貼り合わせてあるため、強度にばらつきが少なく寸法安定性もよい。しかし、耐久性については木材元来の性質がそのまま反映されるため、どんな木材を原料としたのかが重要です。
集成材の多くは原料に北欧材など価格の安いものを使います。高緯度で育った木が日本では腐りやすいのは当たり前で、加工がしやすいとか、値段が安いからという理由だけで使うのは、家族の命を預ける住宅にはふさわしくありません。同じ坪単価を払っても、結果的にはお客様に損をさせることになる。そのことを説明もせずに売るのは、住宅に関わる人間としてあってはならないことだと私は思っています。この木材はどのような材で、どんなメリット、デメリットがあるかなど、当社ではすべてきちんと説明しています。それが住宅をつくる人間の最低限の務めではないでしょうか。
木の乾燥状態でも同じことがいえます。しっかり乾燥させることで木の寿命はさらに延びます。しかし、あとで狂いやヒビが出てくるのにもかかわらず、乾燥しきっていない木材を使う住宅会社が多いことも残念ながら事実なのです。当社では、現在は材木産地と契約して現地で乾燥させており、いまでは常識となった人工乾燥材をいち早く導入しました。家づくりのためには、当たり前のことを当たり前にやる。それが初代社長、菊池安治以来の当社の伝統なのです」
(このインタビューは平成15年6月に行われました)





































