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連載記事
家づくりのための「木の話」

計画的な植林と伐採が資源確保に不可欠

14.日本のスギ・ヒノキを使うことが環境保全にもつながっていく?

環境保全は木の有効活用から

私たちの生活をもっと地球規模の視点から見直し、改善していこうとする考え方が強まってきました。身近なところでは、大気圏のオゾン層を破壊するフロンガスを使わないエアコンや冷蔵庫の普及が一例です。また、地球温暖化の原因の一つとされる炭酸ガス(二酸化炭素)の排出量を減らすため、クルマの燃費向上や、ガソリンを使わない代替エネルギーの開発なども注目されるようになってきました。

しかし、地球規模の資源確保と環境保全を進めていく上で、より確かな方法があります。それが、日本の木材を有効活用することなのです。

未来にわたり確保できる木材資源

樹木は光合成によって大きくなります。このとき、大気中の炭酸ガスを吸収し、水と結合させて細胞をつくっていきます。人類が利用することのできる資源の中で、炭酸ガスを排出するどころか減らしていく唯一の資源がこの木材なのです。

石油などの化石資源や鉱物資源は枯渇(こかつ)していく一方ですが、人間の手で植林をし、育てることで新たに増やすことのできる木材資源は、今後の資源確保の観点からも貴重な存在であるといえます。

人工林、スギ・ヒノキの生かし方

日本はフィンランドについで、国土の67%を森林が占める世界第2位の森林国です。第二次世界大戦の動乱期に、乱伐によって国内の森林は荒廃しましたが、1950年頃からの国民的な緑化運動の高まりの中でスギ、ヒノキが大量に植林され、緑の国土が蘇ってきました。

そして現在、このときに植えられたスギ、ヒノキが大きく育って、木材として活用されるべき時期を迎えているのです。

近年、環境問題となっているスギ花粉症は、伐採(ばっさい)されることなく過密状態で放置されていることが原因です。木材資源を確保する目的で植えられた人工林は、野菜畑と同じように収穫時期には伐採し、新たな苗を植え、常に手入れをしていかなければ荒廃してしまいます。

国内に十分な備蓄のある国産材を住宅に活用すれば、海外の天然木材の乱獲を防ぐことにもなります。私たちに身近なスギ、ヒノキを使うことで、地球規模の資源確保と環境保全にも貢献できるのです。

住宅建設時に放出される床面積あたり二酸化炭素重量
日本の住宅を生産するときに消費されるエネルギーの環境負荷を、床面積あたりの炭酸ガス排出量に換算し、構法別に比較すると上図のようになります。木造住宅は鉄骨造の約1/2、鉄筋コンクリート造の約2/3の炭酸ガス排出量であることが見てとれます。とくに木材の占める炭酸ガス排出量が極めて少なく、木造住宅でさえ全資材からの発生量の6%程度。木材がいかに環境負荷の小さい、地球に優しい資源であるかがわかります。

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木の達人

中尾由一

昭和7年(1932)徳島県生まれ。
昭和26年(1951)、山陽パルプ(現日本製紙)入社。製紙・建材用原料として木材を調達するために、日本各地の山林を渡り歩き数多くの林業家、製材業者との親交を深める。その後、建材事業部に異動。静岡営業所長時代に、菊池建設の創業者である宮大工出身の菊池安治と出会う。
昭和48年(1973)、オイルショックで景気が低迷する中、国産檜を安く調達し低価格で檜造りの住宅を供給する手法を考案。「檜の家」発売の仕掛人となる。
平成6年(1994)、菊池建設の要請を受けて顧問に就任。東京・横浜・埼玉支店長を歴任する傍ら木材調達部門を担当。平成10年(1998)、菊池建設代表取締役就任。耐久性に優れ、家族の健康を守る国産檜を使い、なおかつローコストを実現した「檜の家・せんまん」を代表とする本格木造軸組注文住宅で高い評価を受けた。
平成17年(2005)日本独自の森林認証制度『緑の循環』認証会議より、建築会社として国内初のCoC認定を取得。国産認証林材を使った住宅建築に着手。
平成18年(2006)5月、社長職を勇退。

監修:中尾由一
構成:民井雅弘
企画・制作:株式会社インターナショナル・メディアグループ

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