
現在、世の中の流れが少しずつ変わってきて、なんでも洋風がいいといった時代から、和食や着物など日本の伝統的なものに注目が集まっています。
そんな和風への動きは、住宅の分野でも広がっています。ただし、ここにはさまざまな点で誤解や無理解が少なからずあります。
例えば、和風の木造でさえあればいいという勘違いや、「ヒノキを使っていればいい家」という思いこみです。新聞、雑誌、テレビなどでは、毎日のように木造住宅やヒノキ造りの家が宣伝されています。プレハブ住宅などの工業化住宅とは確かに異なりますが、ここにも大きな落とし穴があります。
まず、単に木の家といっても、日本の気候風土に適さない木材や、さまざまな点から家づくりには最適とはいえない合板や集成材など、無垢ではない木材を使った家は、本来の木の家が持っている効能を半減させてしまいます。
また、ヒノキの家を謳(うた)った住宅でも、本当にすべてヒノキを使っているかどうかは疑わしいのです。結論からいえば、柱や土台はもちろんのこと、大引(おおびき)、根太(ねだ)、筋違(すじかい)、垂木(たるき)といった見えないところまで、国産のヒノキを使うのが本当のヒノキの家。実際にすべてにヒノキを使った家はほとんどないといった現状なのです。
少数ながら家の構造軸組材にすべて国産のヒノキを使っている住宅建築業者があります。
なぜ多くの業者ができないのかといえば、従来の流通システムの中でヒノキはとても高価な材木となり、すべてにヒノキを使った家は、一部の経済的余裕のある人にしか買えないものになってしまったからです。
そこで一般の人の手が届く価格にするためには、見えないところはシロアリの害が生じる可能性のある輸入材で済ますような業者が出てきてしまうのです。
本当のヒノキ造りの家を低価格でつくること。実はこれが住宅建築業者にとってはたいへん難しいことなのです。
- ヒノキは強さと美しさを兼ね備える木の王様
- ヒノキは日本固有の針葉樹で、福島県を北限とした関東以西の本州、四国、九州に分布しています。色、つや、光沢が美しく、その独特なすがすがしい木の香はいつまでも消えることがありません。年月とともに深い味わいを醸し出していく、まさに「木の宝石」とされる木材なのです。また、材質が緻密(ちみつ)で強靱(きょうじん)な特性を持つことから、狂いが少なく、湿気やシロアリにも強い「木の王様」とも呼ばれています。





































