
日本は世界でも指折りの地震国です。当然、家を建てるときには、地震に強いということが大前提になります。家をどんな材料で建てるかという判断に、この地震に強いということを挙げる方も多いでしょう。
まず、鉄筋コンクリートなどの頑丈そうな建物は地震に強くて、木造の建物は地震に弱いというイメージがあります。
しかし、これが一概にいえないことは、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災でも証明されています。
すなわち、大きなビルや高速道路が無惨に倒壊した反面、被害の少ない鉄筋の建物があったり、木造の住宅でも、全半壊した家があれば、まったく無傷だった家もあったという事実です。
阪神・淡路大震災は、甚大な被害をもたらす規模の内陸直下型地震であったこともたしかですが、倒壊した木造住宅の多くが、筋違(すじかい)など地震に耐えるきちんとした施工が不十分なもので、なおかつ、建物自体が老朽化していたことも原因の一つと考えられています。
軸組構法の概念図
そもそも伝統に則(のっと)った工法で建てられた日本建築は、法隆寺の五重塔のように、1300年以上の間、何度も起きた大地震に耐え続けて今も存在しています。
地震や台風が多い日本で培われてきた木造軸組工法は、土台と柱、梁、筋違などで組まれた頑丈な骨組みをもち、自然災害にも耐えられるような構造になっています。
その仕組みは建物自体の過重がかかる垂直方向の力や、地震や台風による水平方向に働く力に対してその力をしっかりと受け止めるようになっています。
大きな力が建物に加わったときに問題になってくるのは、その建物自体の強度と、その建物の丈夫さを損なう恐れのある腐りやシロアリの被害なのです。
国産のヒノキなど防腐、防蟻(ぼうぎ)性にすぐれた耐久性のある木材を使い、伝統的な工法に加えて、最新の耐震技術などを導入すれば、よほどの大きな地震や台風でない限り心配することはありません。
よく手入れされた古民家に100年を超える建物がざらにあるのも、伝統工法で建てられた日本の木造住宅の強さを物語っています。
参考/『大震災以後』「科学」編集部編、岩波書店
- 阪神・淡路大震災で倒壊した家は建築基準法改正前の住宅だった
- 多くの木造住宅が倒壊した阪神・淡路大震災ですが、そのほとんどが家の耐震性を無視して増改築を繰り返した築30年以上経った建物でした。1981年(昭和 56年)に施行された建築基準法改正後は新耐震設計法が義務づけられました。阪神・淡路大震災で倒壊した建物の95%が改正前に建てられた不適格なもので、老朽化による劣化とともにシロアリなどの害を受けた壊れやすい建物でした。






































