
木造建築は火事に弱いというイメージがあります。たしかに木は燃えやすい素材ですが、だからといって鉄筋コンクリートなど木造以外の建築物が、火事に強いとはいえません。
ニューヨーク・世界貿易センタービルの惨劇を例に出すまでもなく、鉄骨は温度の上昇とともに急激に強度が低下して、いつ崩れ落ちてくるかわからない状態になります。
しかし、一定以上の太さを持った柱で建てられた木造の家は、表面が燃えて炭化した層ができると燃え方が遅くなり、ある程度の時間、柱は立ち続けることができます。
A:心材(赤身)
細胞活動を停止した、赤みを帯びた樹心部分。辺材に比べて耐久性があり、腐りにくく、狂いが少ないため、家の土台づくりには欠かせない。樹脂を多く含むので色つやもあり、光沢も出てくる。
B:辺材(白太)
心材を取り囲む色の淡い部分。水分や栄養分を通すライフラインの役割を担う。まだ細胞活動中なので微生物などからの攻撃に抵抗力を持っているが、活動を停止する過程で心材部分を合成していく。
C:心持材
中心の樹心部分を含む材が「心持材」。
これは、はじめから木が燃えることを想定した「燃えしろ」という考え方がもとになっています。たとえ万一、家が火事になっても、人が逃げ出せるだけの間、家が崩れさえしなければ命は助かる。そんな人命に配慮を尽くした伝統工法ならではの発想なのです。
しかし、ただ柱が太くて軸組工法の木造建築であればいいのかといえば、そうではありません。
まず、安心できる家には、無垢材や天然素材を使用することが大切です。火事の死亡原因のほとんどは有毒ガスによる窒息死。塩化ビニールやウレタン樹脂などの化学物質を使った建材や化学塗料を多用した家は、もしものとき最も危険な状況となってしまいます。
その点、燃えても塩素ガスやシアンガスを出すことがない天然の木材や天然素材をメインに使った家は、それだけでも安心といえるのです。
信頼のある無垢材の太い柱。しかし、ここにも意外な落とし穴があります。
まず、材木には赤みを帯びた心材(赤身)とそれを取り囲む外側の辺材(白太=しらた)があって、実は心材が丈夫で燃えにくい部分。
木を張り合わせた集成材の場合、辺材からも柱を製材してしまう海外からの輸入材では、本来燃えにくい木の特性を生かすことはできません。
つまり、「燃えしろ」を十分にとった心持(しんもち)の柱で組まれた家こそが、火災から命を守ることができるのです。そして、現在、心持の材は国産のヒノキとスギ程度しか存在しません。
本当に火災に強い家を建てられるのは、そんな材木を家づくりに生かせる住宅建築業者だけ。大切な家族を守るために、もう一度本当の安心とは何かを考えてみませんか。
参考/宮崎県木材協同組合連合会HP「木のふしぎ再発見」ほか
- 火事が起きても逃げるまでの間、柱が家を支えてくれれば命は守れる
- 木材は420度で発火し、燃え進むスピードはおよそ0.6mm/分、30分間燃えても表面から18mmほどなのです。その間、炭化した層が断熱材の役割を果たして温度の上昇を抑えて可燃ガスの発生を防ぐので、それ以上は燃えにくくなります。その間に逃げれば命は助かります。また、加熱によって木が元の強さの半分になるまでには20分かかりますが、鉄は250度になると変形し始め、5分経つと最初の強さの半分になり、アルミは5分で3割程度に落ちてしまいます。





































