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連載記事
家づくりのための「木の話」

ヒノキにはじめから備わっている防虫、防蟻力

3.あれほど木が大好きなシロアリが嫌う木がある?

細菌、カビ、ダニを防ぐ木材

人間にアレルギーをもたらしたり、さまざまな病気の原因となるのが、家の中に存在する細菌、カビ、ダニ類などです。細菌やカビは室内のあらゆる有機物を栄養源として繁殖し、さらにダニはカビや微細なゴミを餌にして、連鎖的に増えていきます。

家族の健康にとって有害なそれらの発生を防ぐためには、室内を清潔にしておくことも大切ですが、まずなによりも細菌やカビにとって都合のいい高湿度や結露を発生させないことが重要になってきます。

ある調査では、それまで悩まされていた洗面室でのカビの発生を、ビニールクロス貼り壁から板貼り壁に変えることで劇的に減らせたという報告があります。

ヒノキの驚くほどの抗菌効果

これは木が持っている大気中の余分な水分を吸収するという調湿機能が、乾燥状態を嫌うカビの発生を防いだため。また、木材が発散しているフィトンチッドの中には、抗菌効果がある成分が含まれており、細菌などの発生を抑える効果があることもわかっています。

とくにヒノキ材に含まれる成分には、カビやダニに対する繁殖抑制効果があることが知られ、ヒノキ材の木屑(きくず)の中でダニが死滅することも確かめられています。

目視による平均被害度

被害度の区分
区分 被害状況
0 被害無し、痕跡
1 部分的に軽微な被害
2 全体的に軽微な被害
3 2に加え、部分的に激しい被害
4 全体的に激しい被害
5 被害により形が崩れる

ヒノキはシロアリを遠ざける

長持ちすることが前提である家において、最も心配になるのがシロアリの被害。木を絶好の餌とするシロアリにとって、家はまるごとごちそうのようなもので、やっかいな存在となっています。

ところがこのシロアリ、木ならなんでも大好物というわけではなく、嫌いな木があることも知られています。それが国産のヒノキやスギの心材。とくに国産のヒノキにはシロアリが嫌うテルペン系のフィトンチッドが多く含まれており、家にとって大問題となるシロアリの被害に強いことが確認されています。

建築基準法でもヒノキが本来シロアリを寄せ付けない特性を持つことから、一定の条件を満たせば木材を構造材として使う際に義務づけられている、薬剤散布によるシロアリ駆除対策を講じなくてもいいことになっています。

日々の健康を害する細菌、カビ、ダニなどの発生を抑え、我が家の安全を根本から揺るがすシロアリから家を守る国産のヒノキ材。こんな木を使った家こそが、家族に本当の安心を与えてくれる家なのです。

ヒノキの家ならシロアリ駆除剤を使わなくても済む
木造住宅を建てる際に、従来は住宅金融公庫の仕様書でも、シロアリ駆除剤や防腐処理剤の使用を義務づけられていました。しかし、ヒノキやヒバの防腐、防蟻(ぼうぎ)性が認められて、「ヒノキ、ヒバ等の耐腐朽性及び耐蟻性の大きい樹種の心材もしくは心持材を用いる」ことで、薬剤による処理を省略できることになりました。また、床下の土壌についても鉄筋コンクリート造のベタ基礎にすることで、薬剤散布を省略できるようになっています。

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木の達人

中尾由一

昭和7年(1932)徳島県生まれ。
昭和26年(1951)、山陽パルプ(現日本製紙)入社。製紙・建材用原料として木材を調達するために、日本各地の山林を渡り歩き数多くの林業家、製材業者との親交を深める。その後、建材事業部に異動。静岡営業所長時代に、菊池建設の創業者である宮大工出身の菊池安治と出会う。
昭和48年(1973)、オイルショックで景気が低迷する中、国産檜を安く調達し低価格で檜造りの住宅を供給する手法を考案。「檜の家」発売の仕掛人となる。
平成6年(1994)、菊池建設の要請を受けて顧問に就任。東京・横浜・埼玉支店長を歴任する傍ら木材調達部門を担当。平成10年(1998)、菊池建設代表取締役就任。耐久性に優れ、家族の健康を守る国産檜を使い、なおかつローコストを実現した「檜の家・せんまん」を代表とする本格木造軸組注文住宅で高い評価を受けた。
平成17年(2005)日本独自の森林認証制度『緑の循環』認証会議より、建築会社として国内初のCoC認定を取得。国産認証林材を使った住宅建築に着手。
平成18年(2006)5月、社長職を勇退。

監修:中尾由一
構成:民井雅弘
企画・制作:株式会社インターナショナル・メディアグループ

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