ホーム > 菊池ブログ > スタッフ > [031] 社員大工の送別会

菊池ブログ

スタッフ

2011.09.01社員大工の送別会

過日、社員大工の送別会がありました。 日本建築専門学校を卒業して入社。 以来6年4カ月間にわたり、社員大工として働いてきました。 30歳になる前に父親が経営する工務店に入り、いずれは社長として経営を引き継ぐ覚悟で退社を決めたそうです。 彼の入社時期をすっかり忘れていた私は、てっきり脂の乗ってきた30代の大工だと勝手に思い込んでいましたので、実年齢の若さに少し驚いてしまいました。 老けて見えるのではなく、仕事ぶりや立ち振る舞いに、自信溢れる力量を感じていたのです。 実際、彼は積極的に難易度の高い仕事に挑んでいましたし、機会があるごとにそうした仕事をやらせてほしいと意思表示していたそうです。 上海での数寄屋建築の仕事や社寺建築工事には彼の姿が見受けられました。

しかし最初から高い技能を持っていたわけではなく、親方の元で少しずつ仕事を覚えてきたのです。 当社の社員大工は会社に籍を置きながら、実務を身につけるためにベテラン大工に実質弟子入りし、実践で1つずつ仕事を覚えていくスタイルをとっています。 初めて親方と対面したときには親方の素っ気ない対応に不安を感じたそうです。 1年先輩の兄弟子と親方の仕事を見ながら、教えて貰ったことは1度で覚える。 その日知った仕事のやり方を喰らい付くように貪欲に吸収していかなければ、次の段階の新しい仕事をさせて貰えないのですから必死だったはずです。

また、「道具をつくる」ことも重要です。 ノミは大小10本前後、カンナも数種類揃え、仕事に応じて使い分けますが、いつ、どんな仕事を言い渡されてもすぐに取りかかれるように、刃物はしっかりと研がれていなければなりません。 1日の仕事が終わり、その日使った刃物を手入れすることを1度でも怠ると、親方から依頼された仕事が満足にできず、信頼を損ねてしまう。 ノミ1本研ぐために20分。 日によって本数は変わるにしても、翌朝仕事が始まるまでに「道具をつくる」時間を費やさなければ一日が終わらないそうです。 積極的に難易度の高い仕事に挑もうと思えば、尚更しっかりとした道具の手入れが必要になります。 こうした地道な努力の積み重ねがあって、初めて一人前の大工として仕事がこなせるようになるのです。


▲菊池建設での最後の仕事、泉蔵院の太鼓梁に墨付けを行っているところ。

送別会の最後に、本人が挨拶の中で親方についてから現在まで仕事した建築現場を1つ残らず覚えていて、その現場で自分が何をしたのか、どんな経験をしてどんな教訓を得たのか事細かく語り始めました。 その話を聞いているだけでも、1つ1つの経験が現在の彼の血肉になっていることが理解できるのです。 まさに職人の生きざまを垣間見た思いがしました。

既に自分の元を巣立っている弟子に向かってぶっきらぼうながら語りかける、親方の言葉も印象的でした。 いわく、自分もお前から学んだこともあるからお互い様だ。(畏まって感謝しなくてもいい。) 同じ大工としてお前には負けたくない。 お前が5分で仕上げる仕事なら俺は4分で仕上げてみせる。 だけど年齢はごまかせないから自分の方が先に死んでしまうだろう。 その時は自分のところにある道具は好きなものを持って行って構わない。と。 一人前の大工となったことを認めてやり、生涯競い合いながらお互い切磋琢磨して大工を全うしよう、という語りかけだったと思います。 送別会には彼が仕事でお世話になった様々な職種の親方衆はじめ、仕事仲間も集まっていました。 何かあれば駈けつけてくれる諸先輩や仲間達。 絆の深さも実感できた集まりでした。

この会社・菊池建設の特徴の一つには、こうしたプライドを持った職人が、自ら手掛ける仕事に真剣に取り組んでいることが大きいと思います。 しかも常に向上心を持って、より良い仕上がりを競い合いながら、切磋琢磨している。 だからこそ、お客様にご満足いただける高品質な住まいをつくり上げることができるのです。 心強い仕事仲間に恵まれていることに感謝しなければなりません。 (投稿者:M.H)

ページの先頭へ

  • スタッフ

お問い合わせ・資料請求

どんなことでもお気軽にお問い合わせくださいませ。

お電話からのお問い合わせ

電話:054-345-1255

ホームページからのお問い合わせ・資料請求

  • お問い合わせ
  • 資料請求
  • 菊池ブログ
  • 静岡営業所スタッフブログ
  • 三島営業所スタッフブログ
  • 藤沢営業所スタッフブログ
  • 家づくりのための木の話
  • 檜の家こそが家族を守る住宅